市役所からもほど近い葛城公園横に店を構える「お好み焼き おけいちゃん」は、御所のご当地グルメコンテストでグランプリに選ばれたこともある地元の人気店です。店主のおけいちゃんこと増田啓子さんは、「子どもの頃からほぼ毎日お好み焼きを食べ続けてきた」というほど、お好み焼き好き。一度は違う仕事に就きましたが、「思ったら行動せずにはいられない性格」という増田さんは、結婚後子育てがひと段落したタイミングで開業を決意し、幼い頃からの夢を叶えました。

店の一押しはコンテストの際に開発した「会玉（あいだま）」。試作を繰り返してたどり着いたオリジナルの生地は、表面がさっくり、中はふわふわと柔らかな食感で、噛むたびにキャベツの甘み、油かすやホルモンの旨味が口の中にじわっと広がります。ご主人と共に研究を重ねたオリジナルソースとの相性も抜群で、素材の味を楽しんでもらうためにマヨネーズを使用しないというのも、おけいちゃんのこだわりのひとつです。

「お店のことにかかりっきりで、たくさんは一緒にいてあげられなかった」という息子さんに背中を押されて出場した2011年のG級グルメコンテストでは、1日でなんと620枚もの会玉を焼き上げ、たくさんの方の応援により見事優勝。「結果発表の時に息子が涙ぐんで喜んでくれたことが、生きてきた中で一番うれしかった」と増田さんは笑います。

このほか、早朝からお店で焼き上げるメロンパンも大人気。冷めてもおいしいと評判のお好み焼きとともに、持ち帰りを目的に訪れる人も多く、お昼時は客足が絶えません。人とおしゃべりするのが大好きで、「毎日たくさんの人に会えるこの仕事が天職」という増田さんと、こだわりの詰まったおけいちゃんのお好み焼きは、今日もたくさんの笑顔を生み出しています。