御所宝湯 Gose Takara-yu Public Bath

御所宝湯は、「株式会社御所まちづくり」が手掛ける分散型ホテル「GOSE SENTO HOTEL」の入浴施設として2022年にオープンした銭湯です。もともとは大正5年に創業し、まちの社交場として100年近く営業を続けてきた宝湯は、経営者の高齢化に伴い2008年に廃業。その建物をリノベーションし、名前もそのまま引き継いでの復活は、御所まちに新たに灯った光となって、多くの人を惹きつけています。

創業当時の趣を残す浴槽はそのままに、セルフロウリュ(熱したサウナストーンにアロマウォーターをかけて水蒸気を発生させ、体感温度を上げて発汗を促す方法)も体験可能なフィンランド式サウナや水風呂と外気浴が楽しめる「ととのいスペース」を新たに設置。入浴後に一休みできるロビーには、ドリンクやアイス、宝湯限定グッズが用意されています。

暖簾をくぐった先で、底抜けの明るさと共に迎えてくれる番頭の太田有哉さんは、幼少期から銭湯の魅力に取り憑かれ、将来の夢は銭湯をすることだったという、言うなれば銭湯の申し子のような人。その老若男女分け隔てない振る舞いは、地元の子どもたちが毎週掃除を手伝いに来たり、一人暮らしのお年寄りがおしゃべりをしに通ってきたりという、地域みんなの居場所だった昔の銭湯さながらの様相を、まちが取り戻すきっかけを生んでいます。

太田さんは独特な言い回しで宝湯の存在をこう表現します。

「宝湯自体がお湯なんです。お湯はどんな人のことも温めてくれます。仕事で疲れたとか、何か嫌なことがあったとか、不安な気持ちがあったりして、心が少し冷えてしまった人がやってきて、湯船のお湯はもちろん、ロビーで誰かと交流したり、僕と話をしたりして、少し温まって帰っていく。僕は僕で、いいお湯だったよとか、ありがとうねとか声をかけてもらうことで、心が温かくなって、明日も頑張ろうと思えるから、翌日も湯を沸かせるんです。そうやって、人の心を温め合う、“熱交換”をする場所なんだって、やってみて思うようになりました」。

あなたもぜひ一度、宝湯というお湯に浸りに、御所のまちを訪ねてみてください。帰る頃にはきっと、ポカポカと温かい気持ちになっているはずです。

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0745-49-0854