あけぼ乃 Akebono

あけぼ乃は、近鉄御所駅前に店舗を構える老舗和菓子店です。創業は明治18年。初代六田平七が力士としての道を諦め、知り合いの蔵を借りて、うどんや焼き餅を売り出したことから商いが始まりました。「あけぼ乃」という店名は、平七の力士時代の四股名でもあるそうです。

昔ながらの落ち着いた、和の意匠が散りばめられた店内には、さまざまな種類の和菓子が所狭しと並べられています。なかでも、栗の甘露煮を黄味餡で包んで焼いた「葛城路」は、あけぼ乃の看板メニューとして人気を博し、黒糖まんじゅうをカリッと揚げた「かりんとう饅頭」も、深みのある黒糖の風味と甘さ控えめの餡の相性が良いと評判です。そのほか、どら焼きや栗パイ、各種フルーツを使った大福など、伝統を守りつつ、新しいアイデアも取り入れた和菓子づくりが日々行われています。

あけぼ乃では、和菓子屋の魂ともいえる餡は全て自店で製造。毎朝職人が小豆から炊き上げ、つくります。5代目の店主・六田誠良さんは、「和菓子で大事なのはやっぱり小豆。小豆の良し悪しで餡の味が変わります。自分のところで小豆を炊くから、思い通りの味がつくれる。うちの特徴はそれだけだけど、そこは大事にしていますね(笑)」と、笑顔でその思いを語ってくれました。 西洋文化が入ってくる前の日本には、何かの記念の贈り物や訪問の手土産として、和菓子を選ぶ日常がありました。人口が減り、地域のつながりが薄れゆくなかで、人々とのつながりを大切に思い、つながりの上で商いをする和菓子店の責任として、六田さんは、なるべく御所の素材を使い、御所にちなんだ商品を考案するなどしています。最近あまり和菓子を食べていないという人はぜひ、あけぼ乃の商品を召し上がってみてください。きっと「やっぱり和菓子おいしいな」と、思ってもらえるはずです。

Information

連絡先

0745-62-2071