古民家の宿 勝右衛門 Kominka Inn Katsuemon

勝右衛門は2018年にオープンした1日1組限定の民泊施設です。高い石垣と土蔵造りの家々に挟まれた小路を進めば、県道を走る車のエンジン音は徐々に遠のき、いつの間にか違う時代にタイムスリップしたような感覚に包まれていきます。

迎えてくれるのは、温かな笑顔とさらりと着こなした和服姿が印象的な女将・松本ゆきさんと、番頭の中嶋宏高さん。この場所は中嶋さんの生家であり、数ある調度品はおじいさんが集められたものだそう。約100年前に長崎からやってきたというキリシタン灯篭など珍しい品々にも出会えます。

内門をくぐると見えてくるのは、松・梅・クロガネモチなどさまざまな庭木が並ぶ苔むす前栽と、大正3年築という書院造りの離れ座敷。飛び石を伝い、渡り廊下に上がって離れに入ると、火鉢や衣文掛けなど、往時の暮らしの姿を大切にしつつ季節や宿泊客に合わせた設えが出迎えてくれます。

薪で沸かしたお風呂で肌あたりの良いお湯を楽しみ、趣ある和室に腰を下ろし、よく手入れされた庭を眺めながら一休み。「自然に囲まれた静かな環境の中で、大正から昭和初期の日本の生活を肌で感じ、心からゆったりと寛いでほしい」というお二人の言葉通り、200有余年この場所で家族の暮らしを見守ってきた古民家が醸す空気と、細やかな気配りが一体となって生み出される安心感に、心も体もほぐれていきます。

朝食は江戸末期に建てられた本宅で。建物の造りの違いや時代を行き来するような感覚も、この宿の味わいのひとつです。希望者には、中嶋さんによる御所の歴史案内も。御所の魅力を伝えながら、古き良き時代の民家を残し活用していく取り組みを広めていきたいというお二人の思いは、この場所でこれからもたくさんの種を蒔いていくことになりそうです。

Information

所在地

御所市今住166

連絡先

0745-67-0548 / kominka-gurashi@gaia.eonet.ne.jp

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