新地入船は昭和20年に創業した町の食堂です。店の壁にはサイン入り色紙がズラリ。店を営む櫻井さん親子がお客と積み重ねてきた、賑やかな時間がそこに留められています。

日替わり定食をはじめ、カウンターの上に張り出された数あるメニュー中でも、おすすめは名物の「かれーうどん」。丁寧に引いた昆布とカツオの出汁に秘伝のカレー粉を合わせた、辛さの奥に深い旨味を感じるスープが、もちもちのうどんにしっかり絡み、身体を中から温めてくれます。

料理を担当するのは息子の直親さんで、お母さんが給仕を担当。お昼にはいつもお客で混み合う店内を、親子ならではのコンビネーションでテンポ良く捌きます。直親さんは関西の名門調理師学校を首席で卒業。有名店からの誘いもあったそうですが、店を継ぐことを選択し、3代目として今日もその腕を振るっています。

夜の部はお酒や一品料理もメニューにのぼり、居酒屋使いもできるお店に。まち全体が盛り上がってほしいという思いから、ホームページやSNSを活用して広く情報を発信するなど、地域の魅力を伝える活動にも力を入れています。

気さくな櫻井さん親子が生み出すアットホームな雰囲気にも後押しされ、初めて訪れても不思議と懐かしいと思える、温かみのあるお店です。