2022年12月、古瀬地区に「古墳カフェMidoro」はオープンしました。店名だけ見れば、歴史好きの店主が営む古墳がコンセプトのカフェのようですが、ここには本物の古墳があり、見学できるところもポイント。敷地内に国指定史跡の「水泥古墳」がある、正真正銘の古墳カフェなのです。

築約180年という歴史ある古民家の納屋を改装してカフェを開いたのは、この家で生まれ育った後藤敏子さん。進学、就職や結婚など人生のステージが変わる中で、一度は離れた故郷でしたが、家族の体調不良などをきっかけに豊かな自然に囲まれた古瀬の魅力を改めて感じるようになり、この場所に自分のお店を開くことを決意したそうです。

メニューには、季節を感じる野菜中心のお総菜数種にごはん、汁物がついた予約制の日替わりランチと、無添加あんこと御所産のもち米で作るおはぎなど、身体に優しいスイーツが並びます。ランチは自宅の畑で採れた野菜や吐田米、御所芋などの地元食材をふんだんに取り入れ、手作りの発酵調味料や天然醸造の醤油などでシンプルな味付けに。素材の力とおいしさを引き出す調理法「重ね煮」をベースに作られたお料理は、優しい味わいながら旨味たっぷりで、心も身体も元気になれると評判を呼んでいます。

希望すれば食事の前後に、店主のご両親の案内で、敷地内外にある二つの古墳の石室内部を見学しながら、古墳や土地にまつわるお話を聞くことができます。また、団体利用時は事前予約制で古民家内のお庭が見える座敷利用も可能です。

おいしいものを食べ、移り変わる四季の景色を眺め、息づく歴史に触れる。ここで過ごす時間は、五感を通して地域の魅力を感じるとともに、自分の中のバランスを整える養生のひとときになるはずです。