「4KAKU produced by K.Nakanishi」は、コンテナハウスで週に2日だけオープンするチーズケーキとバターチーズサンドの専門店です。お店のコンセプトは、「もうひと口食べたい」。看板商品のベイクドチーズケーキは、レモンなど酸味のある副材料は使わず、3種のクリームチーズにほんのり塩気のあるエダムチーズをプラスしたシンプルな味わいです。一口目からしっかりとおいしさを感じられる濃厚さがありながら、食べ終わった後にはもうちょっと食べたいと思ってしまう絶妙な仕上がりになっています。

2021年のオープン当初はホールサイズの四角いチーズケーキのみのお店でしたが、現在はカットサイズのチーズケーキや、季節ごとに豊富なフレーバーを揃えたバターチーズサンド、バターの芳醇なコクと香りを楽しめるフィナンシェも販売。それぞれにオリジナルの化粧箱も用意されているので、ご自宅用はもちろんのこと、プレゼントや手土産にもおすすめです。

オーナーでパティシエの中西克明さんは、御所のお隣の大和高田市出身。10代の頃にふらっと入った喫茶店で食べたショートケーキのおいしさに感動し、「自分でもケーキを作ってみたい」と料理本を購入したことが製菓の道に進むきっかけだったそう。高校卒業後、製菓学校に進み、県内の人気洋菓子店に就職。パティシエとしてのキャリアを積み、その後、飲食店を営むお父さんの誘いで、当時まだ珍しかった庭付き一軒家のカフェレストランをオープンし一躍人気店となりますが、流行の変化とともに徐々に経営状況が悪化し、倒産させてしまいます。この苦い経験から、一度は「もう二度と飲食の仕事はしない」と心に決めた中西さんでしたが、時折作るお菓子に周囲の人が喜んでくれる姿を見て「やはりケーキ作りがしたい」という気持ちが湧き起こり、一念発起。フリーのパティシエとして活動を始め、店舗や資金面でのご縁もあり、現在に至るそうです。

「カフェをしていた頃、せっかく作ったケーキを廃棄するのは特に胸が痛みました。だから、なるべくロスを出さずに、自分が本当に納得できるものだけを提供できるようにと考えて、シンプルなチーズケーキ一本で勝負することにしたんです」と思いを語ってくれた中西さん。店主の技術と経験、哲学がぎゅっと詰まった、四角いお店で出会える、ここにしかない四角いチーズケーキを、ぜひ一度ご賞味ください。