あけぼ乃 Akebono

- 和菓子
柳屋の創業は明治44年。当時、まだまだ鉄道整備が行き届かない時代、初代店主が国鉄「吉野口駅」の開業に合わせて奈良県初の駅弁事業者として鮎寿司を売り始め、やがて柿の葉寿司の製造も手がけるようになりました。吉野口駅は当時、吉野山観光や物流の拠点として大変賑わい、柳屋のお寿司も「吉野口駅の駅弁」として人気を博したそうです。昭和35年、2代目店主のときには、あさりの時雨煮と米をおぼろ昆布で巻いた「絹巻時雨寿司」を商品化。これが「第一回御所市観光みやげ品送定会」で御所市長賞を受賞し、それ以来、柳屋の名物として多くの人に愛されてきました。
創業からおよそ110年。3代続いた柳屋を、吉野本葛の老舗「井上天極堂」がグループ会社として引き継ぎ、令和3年度に飲食店も兼ねてリニューアルしたのが現在のお店です。暖簾をくぐると、持ち帰り用の柿の葉寿司や鮎寿司、あさりとあなごの絹巻時雨寿司、炙りトロ鯖棒寿司などがディスプレイされ、その奥にはカウンター席と畳席の飲食スペースが設置されています。イートインのおすすめは、おぼろ昆布の入った「柳屋うどん」とお寿司のセット。そのほか、わらび餅やしんこ餅、パフェや夏季限定の特製かき氷など、井上天極堂の御家芸である甘味も楽しめます。
ひとつひとつ、丁寧に、厳選した素材で、手作りで。そうして長く愛されてきた柳屋のお寿司を広く味わっていただきたいと、冷凍便の柿の葉寿司や鮎ずしも用意されています。どれもオンラインショップで購入できるので、お店に来られないという方は、ぜひサイトを覗いてみてください。