葛城一言主神社 Katsuragi Hitokotonushi Jinja Shrine

葛城一言主神社は、全国にある一言主社の総本社で、御所の森脇という葛城山麓エリアに鎮座しています。主祭神はその名通り、一言主大神(ひとことぬしおおかみ)。

この神様は、現存する日本最古の歴史書『古事記』によれば、その昔、第21代雄略天皇(幼武尊)が葛城山で狩りをしていたときに姿を現され、「吾は悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言離(ことさか)の神、葛城一言主の大神なり」と発したとされています。悪いことも善いことも、一言の願いであれば聴いてくれる神様として広く信仰され、人々から「一言(いちごん)さん」の愛称で親しまれてきました。

平安時代に編纂された法典『延喜式』には名神大社のひとつとして名を連ね、天台宗を開いた仏僧・最澄が唐に渡る際に祈願したという伝承も。拝殿前にどっしりと生える推定樹齢1200年の銀杏の大老木は、その独特の姿から「乳銀杏」や「宿り木」と呼ばれ、祈願すると子を授かり、母乳がよく出るとして、古くから子を思う親の信仰を集めています。

そのほか境内には、修験道の開祖・役行者が災いをもたらす黒蛇を調伏したときに置いたという亀石、顕彰のために令和になって新設された雄略天皇像、ムクロジ・カヤ・ケヤキ・カイノキといったそれぞれに逸話のあるご神木など、見所も多数。

趣ある石段を登り、荘厳な佇まいの拝殿の前に立ち、背筋を伸ばして参拝し、目を閉じ耳をすましてみてください。もしかすると、あなたの心に「吾は悪事も一言、善事も一言……」と、一言さんが語りかけてくるかもしれませんよ。

Information

所在地

御所市森脇432

連絡先

0745-66-0178