鴨都波神社 Kamotsuba Jinja Shrine

鴨都波神社は「葛城加茂社」「下津加茂社」とも称され、全国加茂(鴨)社の根源のひとつとして知られる神社です。主祭神は積羽八重事代主命(つわやえことしろぬしのみこと)。その始まりは、第10代崇神天皇の時代、現在の桜井市にある大神神社の初代神主・大田田根子(おおたたねこ)の孫である大加茂都美命(おおかもずみのみこと)が、事代主命を奉斎したとされています。

事代主神はこのあたりに住んでいた古代豪族「鴨氏」が信仰していた神様。大神神社に祀られる大物主命(おおものぬしのみこと)の子にあたることから、鴨都波神社は「大神神社の別宮」とも言われ、平安時代に編纂された法典『延喜式』の神名帳にも名神大社として名を連ねていました。神社周辺は弥生時代中期の「鴨都波遺跡」が見つかっており、当時の住居跡や土器、農具などが多数出土。古代より鴨氏がこの地に住み着いて農耕生活を始めていたことが窺えます。

地元では「鴨の宮」で知られ、現在も旧御所町および近隣の5地区の氏神として広く崇敬されています。夏と秋に行われるお祭りでは、五穀豊穣などを祈願し、氏子地域がそれぞれ「ススキ提灯」と呼ばれる提灯を奉納。境内の広場では「若衆会」というグループに所属する若手メンバーが、提灯を回転させたり、ぶつけ合うなどして、祭りを一層熱くします。太鼓の音が鳴り響き、夜店が軒を連ね、市内外から多くの人が集まりみんな一緒になって盛り上げる、これぞ日本の祭りという風景がそこにあります。

ススキ提灯献灯行事の起源は定かではありませんが、江戸時代中期には現存に近い形態が生まれていたと考えられ、県内最大級であると共に奈良盆地南部における祭礼形態を示す代表的な行事として、平成12年3月、奈良県無形民俗文化財に指定。そのほか秋祭りの本宮で行われる神輿渡御も、大人子ども合わせて400人近い担ぎ手が参加し、大いに賑わいます。

Information

所在地

御所市513番地

連絡先

0745-62-2176