國見神社 Kunimi Jinja Shrine

國見神社は、御所の東端にある国見山麓に鎮座する神社です。主祭神は、天照大神の命を受け、稲作をもたらすために地上に降り立った天孫降臨のエピソードで知られる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。現在は、原谷・今住・上方の三地区の人々の氏神として祀られています。

日本初の国史『日本書紀』によると、初代天皇の神武が東征を終え、橿原の地で即位した後、「腋上の嗛間(ほほま)の丘」に登って周囲を眺め、「なんとよい国を得たものか。狭い国かもしれないが、トンボがとなめ(交尾)をしているように連なった山々に囲まれた地だ」と言ったとされています。

トンボは豊作の象徴。狭くとも稲作が盛んな恵まれた土地を得て神武天皇が喜んでいた様子が表されており、またこの天皇が国を見たというエピソードから、「国見山」と呼ばれるようになったと考えられています。

湿度の濃い森に囲まれた参道をしばらく進むと、やがて苔むした階段が見えてきます。時の経過を告げる石造りの鳥居をくぐり、石段を上がると、そこには数多の灯籠が両脇に立ち並ぶ拝殿が。周囲を見回すと、大きく育った多様な木々が頭上を覆い、ここだけポッカリと空間が広がっています。

日が差すと境内が木漏れ日でキラキラと輝き、ハッとするような美しい姿が現れます。大きな神社にはない、地域の人々が守り続ける、落ち着いた佇まいが魅力の神社です。

Information

所在地

御所市原谷276