宮山古墳 Miyayama Kofun Tomb

宮山古墳は、5世紀前葉の南葛城地域に突如として現れる、大型の前方後円墳です。その歴史的価値が認められ、大正10年には史跡指定されています。墳丘への立ち入りは自由。後円部東側にある室八幡神社の境内から階段を上れば、大きな靭形埴輪のレプリカや、開口した石室が見学できます。

古墳の全長は238mと破格の規模を誇り、後円部の板石積みの竪穴式石室には、現在の兵庫県加古川地域から運ばれたとみられる竜山石製の長持形石棺が納められています。石室を囲み幾重にも連なる埴輪列の様子が確認され、豪華な形象埴輪は特に有名。周堤に築かれた陪塚のネコ塚古墳も巨大な方墳であることから、被葬者の権力の大きさが窺えます。

昭和25年に行われた発掘調査では、盗掘後であるにもかかわらず、三角縁神獣鏡の破片・甲冑・刀剣・勾玉・管玉など豊富な遺物が出土。もともとは豪華な副葬品が収められていたことが想像されます。また、北石室は未調査ではあるものの、平成10年に上陸した台風7号による倒木等で船形陶質土器の破片が出土。これと酷似する土器が韓国で見つかっていることからも、当地を本拠に大王家との外戚関係で強大な勢力を築き、朝鮮半島での活動も記録されている葛城氏の始祖「葛城襲津彦」の墓とみる説が有力とされています。

大型古墳の多くは陵墓であるため、立ち入りが禁じられています。そんな中、墳丘への立ち入りが可能なうえ、「王の柩」ともいわれる長持形石棺を、竪穴式石室に安置されたままの状態で見学できる唯一の場所として、全国から見学者が訪れます。出土品の一部は現在「御所市文化財展示室」で展示されており、解説パネルとともに実物を目にすることができますので、併せて訪れてみてください。

Information

所在地

御所市室地内

連絡先

0745-60-1608(御所市教育委員会文化財課)