御所まち Gosemachi townscape

御所駅の東に広がる「御所まち」エリアは、江戸の風情が残る陣屋町です。関ヶ原の戦いの後、御所一万石の大名に取り立てられた桑山家により整備され、奈良中南部の中心地としてなっていきました。南北に流れる葛城川を挟んで「西御所」「東御所」という2つのエリアに分かれており、西御所は大和絣や菜種油づくりを営む家が並んだ商家の町として発展。対する東御所は、天文15年(1546年)に開山された「大和五ヶ所御坊」のひとつである「円照寺」を中心に、寺内町として栄えてきました。

250年以上前の検地絵図と見比べても、町割りや背割り下水などがほとんど変わらないほど当時の姿をよく残しており、国の登録有形文化財である「中井家住宅」を筆頭に、江戸から昭和初期に建てられた百数十軒もの町家が今も人々の生活の場として残っています。

毎年11月に行われる「御所まち霜月祭」では、御所まち一体がイベント会場となります。普段は外観を見ることしかできない由緒ある町家を一部開放され、各家が所蔵する歴史資料・芸術作品や、当時を偲ばせる生活用品などを一般公開する「町家ミュージアム」が各所で開かれるほか、数百名の山伏衆が法螺貝を吹き鳴らしながら、近鉄御所駅前から役行者生誕地と伝えられる吉祥草寺までを練り歩く「山伏おねり」や、地元の芸術家の作品展示、縁日、町家茶屋など多彩な催しが行われ、町をあげて来訪者をおもてなし。名物の「行者蕎麦」の手打ち実演販売や、「おづぬ餅」「霜月茶会」など御所ならではのグルメも楽しめます。

江戸、明治、大正、昭和、平成と積み上げられてきた長い歴史に加え、令和になってからの「GOSE SENTO HOTEL」のプロジェクトや町家カフェのオープンなど、新しい風も吹き込む今の御所まちの風景は、多くの異質がグラデーションのように混ざり合い、それが不思議とバランスした独特の魅力を醸しています。そんな、ここにしかない趣ある町並みを、心の赴くままにぶらりと散策してみてはいかがでしょうか。

Information

所在地

御所市

連絡先

0745-62-3346(御所市観光協会) 0745-44-3641(御所市観光振興課)