葛城山は、御所市と大阪府千早赤阪村との境に位置する標高959.2mの山。修験道の開祖・役行者が初めて修行した「葛城修験の地」としても有名ですが、現在は山頂付近に遊歩道や食堂、ロッジ、キャンプ場などが整備されており、登山や観光に多くの人が訪れる開かれた場所となっています。

登山道は複数あり、比較的歩きやすく初心者におすすめと言われる「櫛羅の滝ルート」や、展望を満喫できる「北尾根ルート」などバリエーション豊か。麓の駐車場からロープウェイも運行しているので、歩くのが苦手な方や小さなお子さま連れの方でも頂上付近まで上がることができます。山上で一泊する本格登山も人気ですが、天気のよい日にはお弁当を持ってピクニックに行ったり、「葛城高原ロッジ」自慢の鴨鍋と日帰り入浴で気軽に旅気分を満喫したりと、老若男女が幅広く楽しめる山としても親しまれています。

山頂付近は高原状になっており、大阪平野と奈良盆地を一望できる360度の大パノラマが広がります。目を閉じれば、木の葉が風に揺れる葉擦れの音や鳥のさえずりが。5月中頃には自生するヤマツツジが花開き、山上は絨毯を敷き詰めたように真っ赤に染まります。「一目百万本」と言われる景色はまさに圧巻。この他にも、春にはカタクリの花、秋には黄金に輝くススキの海、冬の樹氷と、年間通して自然の美しさに触れることができる葛城山。時期が合えば「春の妖精」と呼ばれる御所市の天然記念物・ギフチョウにも出会えるかもしれませんよ。