阿吽寺 Aunji Temple

- 寺
東名柄天満宮は東名柄地区の氏神で、学問の神様といわれる菅原道真を祀る神社です。創建については、安政5年(1858年)に地元の名士が京都の北野天満宮の分社として造営したという記録が残されていますが、なぜこの場所に建てたのか、それ以前から信仰の地であったのかは不明です。社殿のほか、神社のほとんどが造営当時のまま残されており、拝殿には、万葉集にも登場する和歌の名人たち「三十六歌仙」をはじめ、5種類ほどの画題で描かれた絵馬が数多く掲げられています。
東名柄を含む9カ村で構成される吐田郷(はんだごう)地区では、各氏神にススキ提灯を奉納する秋祭りの献灯行事が有名ですが、東名柄では行われていません。一方で、東名柄天満宮が9村の中で唯一行っているのが夏祭りです。毎年、菅原道真の命日である7月25日に「天神祭り」を執り行い、その年に話題になった出来事や人物を題材とした村民手づくりの立山(たてやま:造り物とも呼ばれる造形物)を奉納します。
立山は江戸後期から近代にかけて、西日本各地で流行した「ハレ」の行事です。東名柄では神社の創建以来、地域の若者たちを中心に立山づくりを続けてきました。現在は立山保存会を結成し、メンバーで協力しながら1ヵ月ほどかけて制作しています。かつては奈良の各地で見られた立山ですが、今でも伝承されているのは県内では東名柄を含む3カ所のみとなりました。夏祭り当日は、夕暮れ時になると、神社前の通りには夜店が軒を連ね、多くの人々で賑います。暮らしがつなぐ日本らしい風景を見に、ぜひ訪れてみてください。