葛木水分神社 Katsuragi Mikumari Jinja Shrine

葛木水分神社は、御所から大阪方面へ抜ける道中、水越峠にある関屋という集落の人々が守り継いできた神社です。祭神は、祈雨・天与の水を分ける「天之水分神(あめのみくまりのかみ)」と川・地与の水を分け配る「国之水分神(くにのみくまりのかみ)」の2柱で、金剛山と葛城山から湧き出る山水を差配する神様として古くより信仰されてきました。宇太、都祁、吉野、葛木と県内に4つある水分神社の中でも唯一『延喜式』の名神大社に列することから、古代の朝廷から特に崇敬されていた神社であることが窺えます。

金剛山と葛城山は大和と河内にまたがるため、このあたりでは古くから度重なる水争いが起こり、訴訟に発展することもありました。その史実は、昔の人々にとっていかに「水」が大切なものだったかを物語っています。

実際に神社を訪ねると、豊かな森に囲まれた静かな境内には、絶えず水の音がしていました。多くの人が、「水があって当たり前」だと思いやすい現代にあって、水分神社は特に人間に欠かせない「水」という自然に意識を向けられる場所です。そんな水をもたらしてくれる氏神へ祈りと五穀豊穣の願いを込めて、秋の例祭では伝統的なススキ提灯の奉納が厳かに行われています。

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